【ニキビ・皮膚掻痒】漢方薬の選び方:漢方薬を症状に合わせて効果的に使う その③

漢方薬 効果

ニキビに効果的な漢方薬とは

ニキビ治療にはどのような漢方が用いられるのでしょうか。その種類と効果を紹介します。

清上防風湯(セイジョウボウフウトウ)
顔の炎症、ほてりを除去すると言われる漢方です。基本的に顔の皮膚病に用いられているので、背中ニキビなど身体に発生したものには向きません。炎症を抑える作用、膿を取り除く作用などが知られており、炎症を起こした赤ニキビ、黄色ニキビなどに向いた漢方と言えるでしょう。
基本的には体力がある人向けの漢方なので、冷え症の人、下痢しやすい人など、虚弱な人には不向きと言われており、注意が必要です。

桂枝茯苓丸加?苡仁(ケイシブクリョウガンカヨクイニン)
強い炎症を起こしたニキビに有効とされる漢方で、その他、めまい、頭痛、生理痛などにも処方されます。漢方の世界で悪血と呼ばれる、血行障害、うっ血をともなう炎症に効果的です。更年期障害や冷えの治療にも用いられるので、どちらかというと女性に適した漢方と言えるでしょう。
体力が弱っている人には向かないので、その場合は自己判断での服用を控えましょう。

荊芥連翹湯(ケイガイレンギョウトウ)
鼻炎、扁桃炎、蓄膿症、ニキビなどに使われる漢方です。体力が普通以上の人で、さらに肌が黒く、手に脂汗をかく体質の人に向いているとされています。
衰弱している人には向かないほか、皮膚の発赤、かゆみ、食欲不振など副作用も報告されているので、服用時には一定の注意が必要です。

十味敗毒湯(ジュウミハイドクトウ)
漢方というと中国伝統医学を想定しがちですが、十味敗毒湯は江戸時代に日本の医師、華岡青洲が考案した和製の漢方薬です。ニキビ、湿疹、じんましん、水虫など皮膚炎全般に用いられており、汎用性が高い漢方といえます。

ニキビ 漢方薬

皮膚掻痒の原因と漢方薬の効果

冬の乾いた外気と、皮脂の欠乏、発汗の低下などが合わさって生じる皮膚の病気で、病名の通りかゆみが強いのが特徴です。皮膚は乾燥して粉が吹いて、白っぽくなっていることが多く、掻いたあとが赤くなり、掻き壊すことで血がにじんだり、色素沈着が起こったりすることもあります。

治療は皮膚の乾燥を防ぐため、保湿剤を塗る治療が主体となります。かゆみを止める内服薬を使うこともありますが、効果が十分でないこともあります。症状の改善に加え体質を変えるという側面から、漢方薬を使うことも少なくありません。

皮膚掻痒症をはじめ、アトピー性皮膚炎、蕁麻疹(じんましん)など、皮膚の病気にはかゆみを主訴とするものが数多くあります。

皮膚は、表皮と真皮、皮下組織という3つの層からできています。

表皮の一番外側にあるのが角層で、水分を豊富に含んでいます。真皮には、表皮に栄養や酸素を運ぶ毛細血管が張り巡らされています。表皮と真皮には痛みやかゆみなどを感じる知覚神経が伸びています。毛糸のセーターを着るとチクチクしてかゆくなるのは、この知覚神経の末端が刺激されるためです。

皮膚掻痒症 漢方

皮膚掻痒症では、皮脂の欠乏や発汗の低下などによる角層の乾燥によって、外部の刺激から皮膚を守るバリア機能が失われるため、知覚神経が刺激を受けやすくなり、かゆみが生じやすいのです。

漢方で皮膚掻痒症は、皮脂の欠乏や皮膚の乾燥が原因となっていることから、「気・血・水(き・けつ・すい)」の水の不足により起こっていると思いがちですが、実際は「血虚(けっきょ)」が原因であると考えられています。
血は全身に酸素や栄養を行き渡らせる役割があるので、血の循環が滞ると皮膚に栄養が行き渡らなくなり、皮脂や汗の分泌低下が起こってきます。それが皮膚の乾燥をもたらすわけです。

漢方では、こうした皮膚の症状に加え、睡眠障害、精神不安など合わせ持つ症状や、体格、表情などをもとに、その人に適した漢方薬が処方されます。

具体的には、とくに血虚が顕著で乾燥が強い患者さんには当帰飲子(とうきいんし)などを、不眠症や精神不安などメンタル的な要素も加わっている患者さんには加味帰脾湯(かみきひとう)などを、高齢者で体質的に虚弱な患者さんには、人参養栄湯(にんじんようえいとう)などを用いることもあります。

もちろん、漢方薬の服用だけでなく、乾燥を防ぐ保湿剤の使用、環境の改善などは必要です。